正直にいうと、シナリオライターはやりがいよりも、苦悩や挫折の方が多い仕事です。
3年ほどシナリオライターをしていますが、挫折した経験は数知れません。
しかし、数々の苦悩に勝るやりがいがあるのは事実です。
なので、これからシナリオライター目指す方は、あなたの前に立ちはだかる壁を理解して上で、本気で目指していただきたい。
今回は、シナリオライターのやりがいや苦悩、大切な心構えなどについて解説します。
どの記事よりも本質的な話をしますので、ぜひ拝読してください。
シナリオライターの最高のやりがいは「2つだけ」
人によっても異なりますが、シナリオライターにとってのやりがいは、以下の2つ。
- 感動を生み出せる
- チームで達成感を得られる
おそらくです、あなたがイメージしている通りです。
感動を生み出せること
シナリオライターのやりがいのひとつは、感動を生み出せることです。
たとえば、名作アニメのシナリオライターは、視聴者が涙するシーンを書いたり、ゲームのプレイヤーが感動してクリアしたくなるようなストーリーを作ったりしますよね。
その結果、シナリオライターは自分が創った感動の瞬間を多くの人と共有できる喜びを得られます。
視聴者やゲームのプレイヤーから感謝の言葉をもらえた時は、なんともいえない感動があります。
自分が書いた物語を通して感動を届けられるのは、シナリオライターの特権です。
チームで達成感を得られる
もうひとつのやりがいは、他のクリエイターと達成感を分かち合えることです。
一つの作品を完成させるには、監督やデザイナー、音楽家や編集者など、多くの人々の協力が必要です。
ゲーム制作では、シナリオライターがストーリーを作り、デザイナーがビジュアルを担当し、音楽家がBGMを作成します。
YouTube動画の場合、シナリオライターが脚本を作り、声優やナレーターが声を吹き込み、編集者が動画を仕上げます。
作品の核を作るのはシナリオライターですが、作品を形にするには多くの仲間が必要です。したがって、チームでエンタメを作れるシナリオライターは最高の仕事だと思います。
このように、シナリオライターはチームで仕事をするので、多くの方と達成感を分かち合える職業です。
シナリオライターの苦悩も紹介
前述したように、シナリオライターは、苦悩や挫折も多い仕事です。
- 才能の無さを実感する
- 駆け出しは年収が低い
- 作った作品が評価さない
- アイディアが出てこない
順番に見ていきましょう。
才能の無さを実感する
苦悩・挫折を最も痛感するのは、才能の無さを実感することです。
物語を書く過程で、自分のアイデアが浅いと感じたり、他の作家と比較して劣っていると思ったりすることがあります。
大ヒット作のシナリオを読んで、自分の作品が及ばないと感じることは何度もあります。また、無名のシナリオライターでも魅力的なシナリオを作る方は多いです。個人的には、いつも辛いと感じる瞬間です。
駆け出し時代は、特に痛感する壁だと思います。
ただし、この苦悩は、どの作家(シナリオライターや脚本家)も通っている道です。
なので、
「自分は才能がないから諦める…」とはならないでください。
もしあなたがシナリオライターに向いているか知りたい場合は【プロが解説】シナリオライターに向いてる人・向いてない人の特徴13選を参考にしてください。
駆け出しは年収が低い
シナリオライターの苦悩のひとつは、駆け出し時代の年収が低いことです。
作品がヒットするまで、安定した収入を得るのが難しいため、生活が苦しいことがあります。
たとえば、まだ知名度がないシナリオライターは、低い報酬の仕事をこなしながら、新しい作品を生み出す努力を続けなければなりません。副業からシナリオライターを始めた場合、一案件の単価は3,000円程度です。
だが、その困難を乗り越えて成功すると、安定した収入と名声が手に入ります。
シナリオライターはスキルを重視される職業なので、最初の収入は低いと考えておきましょう。
作った作品が評価されない
作った作品が評価されないのは、シナリオライターにとっての苦痛でしかありません。
「物語を作るのがすき!」
と考えるほど、作品が評価されないときは大きなダメージをくらいます。
残念ながら、自分が力を入れて作った物語でも、受け入れられないことは当たり前のようにあります。
たとえば、新しいゲームのシナリオを書いても、プレイヤーからの評価が低かったり、売り上げが伸びなかったりすることは少なくありません。
YouTube動画の場合、視聴者の声がダイレクトに飛んでくるので、否定的なコメントを見た時はシンプルに辛いです。
そんな時も、シナリオライターは次の作品に向けて努力を続けなければなりません。忍耐力が必要な職業です。
アイディアが出てこない
シナリオライターを続けていると、アイディアがなくなることは多いです。
物語を続けて書く中で、新しいアイディアが思いつかないことはよくあります。
たとえば、締め切りが迫る中で、次の展開が見つからず苦労することがあります。焦った書いたシナリオを納品しても、クライアントからの評価は低くなるだけです。
しかし、そんな状況でもインスピレーションを求め、アイディアを見つけ出す努力を続けることが大切です。そのため、アイディアを切らさないためにも、ネタ集めは本当に重要だと実感しています。
やりがいは少ない。それでもシナリオライターを薦める理由
シナリオライターは、苦悩の方が圧倒的に多いです。
しかし、それでも僕はシナリオライターを続けています。そして、物語を作ることが好きな方には、シナリオライターをオススメします。
具体的な理由を解説するので、シナリオライターに興味のある方は参考にしてください。
チームで成し遂げる達成感は最高
シナリオライターを薦める理由は、チームで作品を作り上げる達成感が最高だからです。共同作業で生まれる喜びは、個人の努力だけでは味わえません。
ゲームの開発チームと協力して、壮大な物語を創り上げるとき、互いのアイディアが融合し、予想もしなかった素晴らしい作品が誕生します。
そして、その作品が評価されたとき、一緒に喜びを分かち合える仲間がいることは最高だと思います。
社会に出ると、チームでエンタメコンテンツを作る機会なんて多くありません。学生時代の文化祭みたいなノリもあるので、チームでの仕事が好きな方には、シナリオライターは非常にオススメ。
作品が評価されたときの感動が忘れらない
シナリオライターをすすめる最大の理由は、作品が評価された時の快感です。自分が創った物語が人々に喜びを与えることは、何物にも代えがたい喜びです。
作品を視聴したユーザーから
「この作品は本当に泣けた!」
などの感謝の声が届くことがあり、その言葉一つひとつが僕を励まし、次の作品に向けての糧となります。
もちろんですが、そのような高評価をもらえる機会は多くありません。
しかし、作品を作って継続的に発信すれば、あなたのファンは必ず出てきます。
シナリオライターの仕事についておさらい
シナリオライターの仕事について簡単に再確認しておきましょう。
シナリオライターの主な仕事は、映像作品(YouTube動画・ゲーム・映画・テレビなど)ストーリーを考えることです。
たとえば、人気ゲームのシナリオを書くことで、プレイヤーが没頭できる世界を作り出します。仕事内容によっては、出演者や声優のキャスティングに携わったり、演出に携わったりします。
シナリオライターと脚本家の違いは主要メディア
シナリオライターと脚本家は、意味合いが微妙に異なります。業界によって異なりますが、主に対象となるメディアによって意味が異なるのです。
シナリオライターはゲームやアニメなど、さまざまなメディアで物語を作ります。
一方、脚本家は映画やテレビドラマのための台本を書きます。
シナリオライターはRPGゲームのストーリーを構築し、脚本家は人気ドラマのエピソードを作成するイメージです。
とはいえ、
「シナリオライターと脚本家の意味は同じだ!」
という方も多いため、明確な定義はそれぞれによって異なります。
シナリオライターと脚本家の違いをもっと詳しく知りたい方は、シナリオライターと脚本家の違いは?【ほぼ一緒で、ちょっと違う】を参考にしてください。
やりがいをもって仕事に挑めるシナリオライターになる方法
業界を選ばなければ、シナリオライターになるのは非常に簡単です。
しかし、やりがいをもって仕事に挑めるシナリオライターになるには、正しいスキルや学習方法を理解する必要があります。
将来はフリーラストとして売れっ子シナリオライターになるためにも、小さなステップを進んでいきましょう。
具体的には、以下の通りです。
- スキル身につける
- ツールを揃える
- クラウドソーシングに登録する
- ポートフォリオを作成する
- フリーランスエージェントに登録する
順番に解説します。
ステップ1:スキルを身につける
シナリオライターに大切なのは、とにかくスキルです。物語を作るスキルを身につけらなければ、シナリオライターとしては活動できませんよね。
スキルを身につける方法には、大きく分けて二つの方法があります。
- 専門学校・通信講座で学習する
- 独学で学習する
専門学校・通信講座で学習する
シナリオライターのスキルを身につける最も効率的な方法は、専門学校や通信講座で学習することです。
プロの講師から直接指導してもらえるので、ゲーム会社に就職してすぐ活躍できる、即戦力になるスキルを身につけられます。
就職にも非常に有利なので
「将来はゲーム会社に就職して有名な作品に携わりたい!」
と考える方には非常におすすめです。
独学で勉強してみたけど、イマイチ感覚を掴めないで悩んでいる方であれば、モヤモヤが一気に晴れるはず。
専門学校・通信講座については【無料あり】シナリオライターがオススメする講座・専門学校4選【未経験からプロに】で紹介しています。授業の無料体験や無料資料請求などもできるので、まずはそこからスタートしましょう。
独学で学習する
仕事が忙しい方や、隙間時間を活用してスキルを身につけたい方には、独学がおすすめ。
専門学校に比べるとプロからのフィードバックがないことはデメリットですが、自分のペースで学習できることが魅力です。
学習にかかるお金も少なくて済むので、コストを抑えてスキルを身につけたい方におすすめですね。
独学でスキルを身につける具体的な方法は、【完全網羅】独学でシナリオライターのスキルを身につける方法【学習ステップも紹介】で解説しています。自分の力だけでシナリオライターへの道を切り拓きたい方は、参考にしてください。
ステップ2:ツールを揃える
スキルを理解したら、シナリオライターに必要なソフトや機材を用意しましょう。
といっても、シナリオライターに高額なツールは必要ありません。
- 執筆用のPC
- 執筆ソフト
- 文章構成ソフト
- 情報収集ツール
上記の4つがあれば、シナリオライターとして活動できます。
ただし、ツールの選び方をまがえると執筆にストレスを感じるので、正しい選び方は理解しておきましょう。
シナリオライターに必要なツールは、シナリオライターにおすすめの執筆ソフト4選【必要不可欠】でまとめています。僕が実際に使っているツールも紹介しているので、参考にしてください。
ステップ3:クラウドソーシングに登録する
クラウドソーシングとは、無料で利用できる仕事を受注できるサービスのことです。
未経験でも応募できる案件が多数あるので、実績作りに最適のサービスといえます。
クラウドソーシングによって受注できる案件は異なりますが、サイトによっては高額案件の受注も可能です。
シナリオ案件を受注できるクラウドソーシングはシナリオライターにおすすめのクラウドソーシング5選!【注意点も解説】にまとめています。とりあえず2つくらいのサービスに無料登録して、どのような案件があるのかを確認しておきましょう。
ステップ4:ポートフォリオを作成する
クラウドソーシングで案件を受注したら、ゲームシナリオの案件を受注するためのポートフォリオを作成しましょう。
ポートフォリオとは、あなたのスキルや実績を証明するためのWebサイトを意味します。
作成してWebサイトに実績や作品を公開することで、クライアントはあなたの実力を簡単に判断することが可能です。
ポートフォリオを作成していないシナリオライターは、就職やフリーランスの案件受注に不利なので、必ず作成しましょう。
ポートフォリオの作り方は、【未経験】シナリオライター必見!圧倒的なポートフォリオ作成法で詳しく解説しているので、そちらを参考にしてください。
5:フリーランスエージェントに登録する
実績を作りポートフォリオを作成したら、フリーランスエージェントに登録しましょう。
フリーランスエージェントとは、無料で案件を紹介してくれるサービスのことであり、クラウドソーシングよりも高単価プロジェクトを紹介してくれます。
プロジェクトによって異なりますが、1ヶ月70万円以上の報酬を得ることも可能です。本格的なゲームシナリオも作れるので、ここまできたら夢へのスタートラインですね。
シナリオ案件を紹介してくれるフリーランスエージェントだと、レバテッククリエイターが有名です。
無料で登録できるので、実績を積んだ方や、ゲーム会社での活動経験がある方は、ぜひ活用してください。
やりがいを感じられるシナリオライターの心構え
最後に、これからシナリオライターを目指す方に、ちょっとした心構えをお伝えします。
- 評価されなくて最初は当たり前
- 自分の感性だけに頼らない
- 文章術ではなく構成を学ぶ
上記の項目は、シナリオライターを始める当初の僕に伝えたいメッセージでもあります。
評価されなくて最初は当たり前
シナリオライターの心構えとして大切なのは、作品が最初は評価されなくて当たり前だと思うことです。
成功は一度には手に入らず、努力と継続が必要です。
正直な話、自分が書いたシナリオに絶対の自信があった時期もありました。しかし、結果は見事にコテンパンです。
初めて書いたシナリオが批判されても、それは成長の機会であり、次の作品に活かすべきだと捉えることが大切です。
あなたに溢れるほどの才能があったとしても、一発目から名作を作れる可能性は高くありません。
厳しい声も受け止めながら、少しずつ才能を開花してください。
自分の感性だけに頼らない
自分の完成だけをあてにした作品は、駄作になる可能性が高いです。
というのも、作品を評価するのはシナリオライターではなく、ユーザーです。そのため、自分の感性だけを取り入れた作品には誰も興味を示しません。
他人の意見や世界観を取り入れることで、より豊かな物語が生まれます。友人や家族の話を聞くことで、新しい視点や感動などもえらるでしょう。
シナリオライターになると
「自分は物語を創るのプロだ!」
と勘違いする人は少なくありません。
人の好みは十人十色。忘れいないでください。
文章術ではなく構成を学ぶ
文章術は大切です。しかし、真っ先に身につけるべきスキルは構成です。
物語の骨格が整っていれば、魅力的な作品が生まれやすくなります。
たとえば、名作とされる小説や映画の構成を分析し、自分の作品に応用することが有益です。
未経験からシナリオライターを始める方には
「読者の心を動かす文章術を身につけたい!」
と考える方が多いです。
しかし、魅力的な文章表現スキルを身につけても、構成がおかしかったらユーザーに内容は伝わりません。
構成をしっかりと学んでから、文章表現を学習してください。
最後に:やりがいあるシナリオライターをこれから目指す人へ
シナリオライターのやりがいと苦悩について解説しました。
感動を生み出す力やクリエイターとの達成感が魅力ですが、評価が得られないことやアイデアの枯渇に悩むこともあります。
それでも薦める理由は、作品が評価された時の感動やチームでの達成感です。
心構えとしては、最初の評価に動じず、自分の感性だけに頼らず、構成を学ぶことが大切です。
シナリオライターは非常にやりがいのある仕事なので、ぜひ挑戦してください。
もしあなたがシナリオライターに向いているか知りたい場合は【プロが解説】シナリオライターに向いてる人・向いてない人の特徴13選を参考にしてください。
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