物語を作るのが好きな方であれば「シナリオライターに向いてるかも!」と考えるでしょう。
結論を申し上げると、物語を作るのが好きなだけでは、シナリオライターに向いているとはいえません。
僕はシナリオライターとして3年ほど活動しており、思ったより向いていない、と感じた経験は数多くあります。
シナリオライターを始めたものの、自分に向いていないと感じる仕事を継続するのは、人生の貴重な時間を大幅に損する可能性があるでしょう。
なので、シナリオライターを始めたい方は、向き不向きは確認しておくべきです。
本記事では、シナリオライターに向いている人・向いていない人の特徴を、僕の実体験を元に詳しく解説していきます。
シナリオライターの仕事・副業を始めたい方は、参考にしてください。
シナリオライターに向いてる人の特徴8選
まずは、シナリオライターに向いている人の特徴について解説します。
- 発想力が豊富
- リサーチが得意
- 文章の執筆が得意
- 修正が苦にならない
- チームでの仕事が好き
- 繊細な感性をもっている
- 継続的にスキルアップできる
- ドラマチックな表現ができる
全ての項目に該当する必要はありません。
どれか一つでも当てはまっていれば、シナリオライターの素質はある可能性が高いです。
順番に見ていきましょう。
発想力が豊富
シナリオライターは、ストーリーを作る上で創造力が必要です。アイデアをどんどん出せる人は、シナリオライターに向いているといえます。
新しいアイディアが出せなくて、作品がマンネリ化するシナリオライターは少なくありません。
自分の経験や周りの人の話などから、ストーリーを生み出せることも、シナリオライターに向いている人の特徴です。
リサーチが得意
シナリオライターは作品に必要な情報を集めることが重要です。そこで、リサーチが得意な人は向いているといえるでしょう。
「シナリオライターって、自分の頭の中で考えたストリーを具現化するんじゃないの?」
と考えるかもしれません。
しかし、テーマによっては時代背景やテクノロジーの発達などをリサーチする必要があります。
たとえば、あなたが昭和初期をテーマにした物語を作る際、スマホ中心の文化では話の論理が破綻しますよね。
また、どのようなニーズがあるかを調査することも重要です。
読者や視聴者が求める物語は常に変わるので、ニーズに合った作品を作るためにも、リサーチが得意な方はシナリオライターに向いているといえるでしょう。
文章の執筆が得意
シナリオライターにとって、物語を表現する文章力は非常に重要です。そのため、文章の執筆が得意な人はシナリオライターに向いています。
また、ここでいう得意とは「文章の執筆にストレスを感じない」という意味も含まれています。
魅力的な文章表現スキルをもっていても、執筆作業にストレスを感じる場合、シナリオライターを継続するのは難しいです。
そのため、文章力がありながら執筆にストレスを感じない方は、シナリオライターが天職である可能性があります。
修正が苦にならない
シナリオライターは、自分の作品を何度も修正することがあります。
クライアントの要望に応えたり、プロデューサーやディレクターからの指摘に対応することも多いです。そのため、修正が苦にならない人がシナリオライターに向いています。
修正が苦になる人は、クライアントからの指示や、他のスタッフからの意見を聞くだけでストレスを感じることがあります。
しかし、修正が苦にならない人は、クライアントや他のスタッフの意見をフィードバックとして取り入れ、作品をより良いものにできるでしょう。
また、修正が苦にならないということは、自分自身の作品の修正もスムーズに行えるということです。自分で書いた文章やストーリーを客観的に確認できるので、改善点を見つけやすくなります。
そのため、修正が苦にならない人は、作品をより高いクオリティに仕上げることが可能です。
チームでの仕事が好き
シナリオライターは、プロデューサーやディレクター、イラストレーターや音楽家など、様々な職種とのコラボレーションが必要です。
副業シナリオライターの場合は、動画編集者とチームを組んで仕事をするケースも多いです。
そのため、チームでの仕事が好きな人がシナリオライターに向いています。
チームでの仕事が好きな人は、コミュニケーション能力が高く、協調性があるという特徴があります。
相手の意見を聞いたり、自分のアイデアを的確に伝えたりできる人は、作品のクオリティを高められるでしょう。
また、仲間と一緒に作品を作り上げる達成感も味わえることも、シナリオライターの魅力です。
継続的にスキルアップできる
シナリオライターにとって、継続的にスキルアップすることは非常に重要です。
映像やゲームなど、シナリオが必要とされる分野は多岐にわたり、常に新しい技術や手法が求められます。
そのため、新しい作品などを定期的に分析できる人は、シナリオライターに向いている可能性が高いです。
スキルアップには、様々な方法があります。
たとえば、新しいジャンルの作品を読んだり、映画やドラマを視聴したりすることで、ストーリーテリングの技術を磨くことが可能です。
プログラミングやCG制作など、他の分野の知識を身につけることで、新しい表現方法を見る方も多く見られます。
業界全体のトレンドや動向を把握し、自己研鑽に励むことで、シナリオライターの価値は高まっていきます。
繊細な感性を持っている
人の心を動かすストーリーを作ることが求められるシナリオライターには、読者や視聴者のニーズを掴む繊細な感性が求められます。
繊細な感性を持っている人は、人々の心を揺さぶる表現方法を見つけ出すことが得意な傾向にあるのです。
たとえば、人々の共感を呼び起こすようなシーンやセリフ、キャラクターの性格設定など、細かいところまで気配りができるという特徴があります。
また、繊細な感性を持っている人は、自分自身の感情にも敏感です。そのため、自分の感情を作品に反映させて、読者や視聴者の感情に共鳴する作品を作れるでしょう。
一方で、繊細な感性を持っている人は、ストレスに弱いという欠点があります。
作品が思うように進まなかったり、クライアントやプロデューサーからの指示がストレートであったりすると、傷ついたりイライラしたりすることがあるので、制作環境が重要です。
ドラマチックな表現ができる
物語をより魅力的にするために、ドラマチックな表現が必要です。そのため、感情や心情を的確に表現できる人は向いています。
ドラマチックな表現とは、一見すると「くさいセリフ」とも言われるのですが、作中ではこのような表現が視聴者の心を掴む可能性が高いです。
小説や人気作品はもちろん、InstagramやTwitterでもユニークな表現は見つけられるので、リサーチしてストックしておきましょう。
視聴者のニーズに合わせた作品を作れる
シナリオライターには、作品の企画・構成やキャラクター設定、セリフなど、様々な要素について考慮する必要があります。
そのため、読者・視聴者のニーズに合った作品を作れる人はシナリオライターがオススメです。
読者・視聴者のニーズを把握するためには、マーケティングやアンケート調査などの方法があります。
しかし、それだけではなく、自分自身が読者や視聴者として作品に接することも重要です。
自分自身が楽しめる作品を作ることで、読者・視聴者のニーズにも合致した作品を生み出せるでしょう。
シナリオライター向いてない人の特徴5選
次に、シナリオライターに向いていない人の特徴を紹介します。
前述と同様、全てに該当する必要はありませんが、複数当てはまる場合は注意が必要です。
- チームプレイが苦手
- 創意工夫ができない
- 執筆にストレスを感じる
- 自分の世界観を主張したい
- 時間に追われることがストレス
順番に見ていきましょう。
チームプレイが苦手
シナリオライターに向いていない人の特徴の一つに、チームプレイが苦手なことが挙げられます。
前述で解説したように、シナリオ制作が多くの場合、他者と連携しながら進めるプロセスであるためです。
シナリオライターは、クライアントだけではなく、制作チームで仕事をします。そのため、一人だけで仕事を進めたい方には、シナリオライターはおすすめしません。
ただし、チームプレイが苦手な場合でも、チームメンバーによっては作業が楽しくなる可能性はあります。
複数人でのプロジェクトが苦手な方は、自分に合ったメンバーを探しましょう。
創意工夫ができない
シナリオライターに向いていない人の特徴の一つに、創意工夫が苦手なことが挙げられます。
理由は、シナリオライターが物語の独創性や新たなアイデアを生み出す力が求められる職種であるためです。
たとえば、シナリオライターはプロットの展開や登場キャラクターの設定、台詞などを考案する際に、新鮮な視点や独自の発想力が重要になります。
既存の物語に囚われず、独創的なストーリーを生み出すことが求められるため、創意工夫が苦手な人はこの職種での競争力が低くなります。
執筆にストレスを感じる
最も向いていない特徴は、執筆にストレスを感じることです。
シナリオライターの仕事が基本的に文章作成が中心であるため、執筆が苦痛であると長期的な業務が続けられません。
物語の企画や構成が思いつく方は多いのですが、文章として形にできる方は非常に少ないです。
というのも、シナリオライターをしていてい最も楽しいと感じるのは、物語のテーマが思いついた時なのです。プロット作成や執筆は作業なので、ストレスを感じる方は非常に多く見られます。
かくいう僕も、執筆にストレスを感じることはあります。別の仕事に追われていたり、プロットが甘かったりすると、ほぼ確実に筆は止まりストレスになるんですよね。
執筆には時間と労力が発生するので、執筆そのものが苦手な方には、シナリオライターはあまりオススメしません。
自分の世界観を主張しいたい
自分の世界観だけを表現したいという考えがある場合、シナリオライターは不向きかもしれません。
理由は、シナリオライターは幅広い視点で物語を構築し、多様なターゲットに対応する必要があるからです。
シナリオライターは様々なプロジェクトで働くことがあり、その都度異なる要求やテーマに対応する柔軟性が求められます。
また、読者や視聴者の感情に訴えかける物語を創り上げるためには、自分の世界観だけでなく、他者の意見や感性も取り入れることが重要です。
しかし、自分の世界観だけを表現したい人は、他者の意見に耳を傾けることが難しく、物語の幅が狭くなってしまうことがあります。
従って、自分の世界観だけを表現したい人は、シナリオライターとして成功するのが難しいと言えます。
時間に追われることにストレスを感じる
シナリオライターに向いていない人として、時間に追われることが苦手なことが挙げられます。
シナリオライターの業務は納期を守ることが重要であり、時間管理が求められるからです。
プロジェクトごとに異なる納期が設定されており、その期限内に複数のタスクをこなす必要があります。
チーム単位でのプロジェクトになるので、シナリオライターの納期が遅れることは、チーム全体の進捗を遅らせることに直結します。
そんため、効率的な時間管理やスケジュール調整が不可欠といえるでしょう。
向いてない人はシナリオライターをやめるべきか
結論から述べると、向いていない人でもシナリオライターを諦める必要はありません。
なぜなら、向いていないと感じる特徴を克服する努力を積むことで、スキルや適性を向上させる可能性があるためです。
方法によっては、他者の力を借りることでシナリオライターとして活動することも可能です。
たとえば、執筆作業が苦手な場合、物語の構成を作り執筆だけライターに外注すれば、シナリオライターとして活動できます。
「面白い物語を思いつくんだけど、タスクとかは苦手…」と感じる方は、ディレクターになる方法もありです。
努力で克服できる部分と、他人の力を借りて克服する方法があるので、向いていないからといって諦める必要はありません。
シナリオライターや物語を作る仕事はやりがいに溢れている仕事なので、ぜひ挑戦していただきたい。
未経験からシナリオライターになるには?
未経験からシナリオライターになるには、以下のステップが必要です。
- スキルを身につける
- ポートフォリオを作成する
- クラウドソーシングに登録する
- 案件を受注する
- 大型案件を受注する
上記のステップは、フリーランスのシナリオライターになる方法です。ゲーム会社やシナリオ制作会社に就職する場合は、副業としてクラウドソーシングで実績を作り、転職活動を始めましょう。
シナリオライターの始め方方については【未経験OK】シナリオライターのなり方は?副業で始める方法や注意点を解説を参考にしてください。
シナリオライターに求められるスキルを理解しよう
ここまでは、向き不向きを中心に解説しました。しかし、シナリオライターに求められるのはスキルです。
言い方を変えれば、スキルさえあればできる仕事でもあります。向き不向きに関係なく、シナリオライターを目指す方は、必要なスキルは理解しておきましょう。
- 作品の企画力・発想力
- 読者の心を掴む文章力
- コミュニケーション能力
- リサーチ能力
上記のスキルは、誰かに協力してもらい補填することも可能です。順番に見ていきましょう。
作品の企画力・発想力
作品の企画力・発想力は、シナリオライターに求められる重要なスキルです。
なぜなら、物語の魅力や独自性を生み出すために、新しいアイデアや視点が不可欠であるためです。
シナリオライターの多くは、クライアントからテーマをもらい物語を作成します。起承転結をもとに、
- 読者・視聴者をどこで釘つげにするか
- 感情曲線をどうやって動かすか
- クライマックスはどう演出するか
などの企画力・発想力が必要です。
言い出せばキリはありませんが、企画力や発想力は上記のシーンで活躍するスキルです。
頭の中で考えるのではなく、さまざまな作品をみて、アイディアのストックにも力を入れましょう。
読者の心を掴む文章力
シナリオライターをするかには、文章力は重要なスキルです。
Webライティングと異なり、シナリオライティングには、風景の描写や感情表現など、さまざまの文章表現が求められます。
つまり、物語の世界観を伝えるために、感情や情景を効果的に描写する文章力が不可欠です。
とはいえ、読者の心を掴む文章力を生まれつきもっている人は、ほぼいません。
多くの場合、映画や小説などの何回もみて、魅力的な表現を取り入れている方がほとんどです。
そのため、文章表現はちょっとした努力で身につけられるスキルなのです。
コミュニケーション能力
チームで仕事をするシナリオライターには、コミュニケーション能力は必要不可欠といえるでしょう。
理由はシンプルで、シナリオライターが作った作品をもとに、音楽・映像・キャスティングなどが行われます。
物語の世界観を作った張本人なので、チームへ的確な指示を出したり、クライアントと円滑に仕事を進めるためには、コミュニケーション能力は必須といえるでしょう。
リサーチ能力
シナリオライターに求められる重要なスキルの一つに、リサーチ能力が挙げられます。
理由は、物語の背景や登場人物の設定をリアリティ溢れるものにするために、正確かつ幅広い知識が必要だからです。
この際、インターネットや書籍、専門家へのインタビューなど、様々な情報源を活用して緻密な調査を行うリサーチ能力が重要となります。
正確な時代背景や文化を反映させることで、読者に説得力のある世界観を提供できるため、論理が破綻する心配もありません。
従って、シナリオライターにはリサーチ能力が不可欠であり、このスキルを磨くことが物語の質を向上させるための鍵となります。
シナリライターに関するよくある質問
最後に、シナリオライターに関するよくある質問を紹介します。シナリオライターを目指している人は、参考にしてください。
Q1:シナリオライターの仕事は辛いですか?
正気にいうと、つらいと感じることは非常に多いです。数だけでいうと、つらいと感じることの方が少なくありません。
しかし、それ以上のやりがいがある仕事なので、興味のある方はぜひチャレンジしてほしいと思います。
シナリオライターのつらさについて赤裸々に書いた記事を紹介するので、気になる方は下記の記事も参考にしてください。
Q2:独学でもシナリライターになれますか?
結論、可能です。
ただし、独学でゲーム会社やシナリオ制作会社に就職するのは難しいです。理由は、実績がないから。
企業は常に即戦力を求めているので、コンクールでの入賞やフリーランスでの実績がない以上、正社員のシナリオライターになるのは困難かもしれません。
したがって、独学でシナリオライターを目指す方は、まず実績を作ることを推奨します。
なお、シナリオライターの独学方法は、独学でシナリオライターのスキルを身につける方法【学習ステップも紹介】詳しく解説しています。自分の力でシナリオライターの道を開きたい方は、こちらも覗いてみてください。
まとめ:向き不向きに関係なくシナリオライターにはなれる
最後に、シナリオライターに向いている人・向いていない人の特徴をまとめておきます。
- 発想力が豊富
- リサーチが得意
- 文章の執筆が得意
- 修正が苦にならない
- チームでの仕事が好き
- 繊細な感性をもっている
- 継続的にスキルアップできる
- ドラマチックな表現ができる
- チームプレイが苦手
- 創意工夫ができない
- 執筆にストレスを感じる
- 自分の世界観を主張したい
- 時間に追われることがストレス
とはいえ、自分の苦手分野を克服したり、他人の力を借りたりすることで、向き不向きに関係なくシナリオライターとして活動することは十分に可能です。
あなたが作った作品見た視聴者から、
「生きる勇気をもらいました。こんな作品を作ってくれてありがとうございます!」
などのコメントが来ることもあるのです。従来の仕事・副業よりもやりがいのある仕事だと思うので、物語に興味のある方はぜひ挑戦してください。
副業シナリオライターの仕事を詳しく知りたい方は、YouTubeシナリオライターの収入は高い?副業の始め方まで解説!を覗いてみてください。
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