「小説を書いてみたいけど、何から書けばいいかわからない…」
「書こうと思っても、思うように筆が進まない……」
創作活動に慣れていない場合、このような悩みが発生しますよね。
そこで今回は、小説が書けない一般的な原因や、基本的な創作術などについて解説します。
記事内では便利な創作ツールを紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
小説の書き方がわからない・書けない理由は3つ
仕事柄、「小説を書きたい!」「自分でもシナリオを書いてみたい!」と相談を受けることが多々あります。
それらの質問を分類してみると、小説の書き方がわからない理由は、以下の3つに分類されることがわかりました。
- 目指すレベルが高い
- 執筆の準備が足りない
- 創作の基本を知らない
順番に説明しますね。
1.目指すレベルが高い
文章力・創作力に自信のある方に多い原因
自分とプロの作品を比較して、「これではダメだ…!」と考えてしまうようです。小説のクオリティを意識するあまり、SNSやWebサイトに作品を公開できない方も少なくありません。
そのため、文章力を磨いたり、言葉の引き出しを増やしたりすることに時間を使う傾向があります。
スキルを磨くことは大切ですが、まずは短編小説から始めてみて、創作になれることでグッとスキルアップする人が多く見られます。
2.執筆の準備が足りない
小説の書き方がわからない多くの原因
小説の執筆がわからないと考える方の多くは、そもそもの準備が不足しているように感じられます。
- キャラクターの設定が曖昧
- ストーリーの結末以外決まっていない
- 物語の解像度を上げる情報を持っていない
まとめると、上記の3つに分類されます。頭の中のイメージだけを具現化するのは、プロの作家でも難しい作業です。
そこで参考になるのが、「歴史」です。自分の妄想と近い歴史的事件を調べることで、「何を・どのように伝えるべきか」が見えてきます。
3.創作の基本を知らない
自分の作品に納得できない人に多い悩み
大前提として、小説や脚本、シナリオなどの創作に絶対の正解はありません。しかし、以下の3つは知っておいて損はありません。
- 基本的な文章の書き方
- 物語の組み立て方
- 推敲の仕方
詳しくは後述しますが、基本を知ることで「自分だけの創作術」が身につきます。ぜひ後半の内容も参考にしてください。
わからない人におすすめの小説の書き方6ステップ
ここでは、初心者におすすめの「物語創作術」を紹介します。
- メインキャラクターを設定する
- 舞台設定を決める
- 核となる出来事を決める
- クライマックスを
- プロットを作成する
- 執筆を開始する
簡単に理解できるように解説します。
1.メインキャラクターを設定する
まずは、小説の核となるキャラクターを考えましょう。最低でも、以下の要素は考えていただきたい。
- 名前・年齢・性別
- 性格(長所・短所)
- 抱えている悩み・目標
- 特徴的な口癖・クセ
- 名前:佐藤A子さん
- 年齢:16歳
- 性格・おっとりしているが芯が強い
- 悩み:人前で自分の意見を言えない
- 目標:小説を書いてコンクールで受賞したい
このように「性格」「悩み」「目標」を設定するだけでも、このキャラクターの行動がイメージしやすくなりますよね。
2.舞台設定を決める
次に、キャラクターが活躍する世界観を構築します。
- 時代設定(現代・過去・未来など)
- 場所(実在の場所か架空の世界、異世界など)
- 特殊な設定(魔法や超能力の有無など)
この辺りは、あなたの想像力が試される作業ですね。
もし世界のルールなどを考えるのが難しい場合は、「世界の政治」を参考にしてみてください。税金や社会情勢とかは、調べてみると魅力的な材料になります。
3.核となる出来事を決める
簡単にいうと、「物語が動くきっかけ」ですね。小説や映画などでは、以下の要素が利用されています。
- 主人公の日常が突然変化する
- 大きな課題や問題が突然現れる
- ライバルの登場により日常が崩れる
近年ブームの「異世界転生」では、主人公が事故に遭い異世界に転生することで、新しい日常が始まります。
4.クライマックスを考える
物語の始まりが決まったら、終わりも考えてみましょう。
- 主人公の最大の困難
- 主人公の決断や行動
- 対立構造の解決方法
クライマックスは、「どのようなエンディングを迎えるか」を決めながら考えると、考えやすくなります。
5.プロットを作成する
プロットとは簡単にいうと、作品の設計図のようなものです。
- キャラクターの性格
- 物語の流れ
- ストーリーの展開
プロットを作らずに執筆すると、情報が散らかって、筆が止まる原因になります。情報を集めて、まずは創作の基盤を完成させましょう。
6.執筆を開始する
ここまで準備が完了して、はじめて執筆を開始します。つまり大切なのは、小説を書き始めるまでの準備です。
ここまでの手順を実施すると「あとは書くだけ」になるので、ぜひ取り組んでみてください。
小説の書き方だけでなく文章のテクニックも紹介
ここでは、すぐに実践できる文章力を磨くテクニックを紹介します。
- 一文を短くする
- 五感を使った描写を取り入れる
- 会話文を効果的に使う
- 視点人物を取り入れる
具体例もお伝えするので、ぜひ活用してください。
テクニック1.一文を短くする
読みやすい文章を読者に届けるためにも、一文(〜。までの文章量)を短くします。
教室の窓から差し込む夕陽に照らされた黒板の文字が、どこか切ない気持ちを呼び起こさせた。
教室の窓から夕陽が差し込んでいた。黒板に書かれた文字が橙色に染まる。何だか切ない気持ちになった。
テクニック2.五感を使った描写を取り入れる
臨場感のある文章を書く際は、五感を意識して描写してみてください。
その場所は怖かった。
壁から漏れる水滴の音。じめじめとした空気が肌をなぞる。かび臭い匂いが鼻をつく。この暗闇の中で、何かが蠢くような気配を感じた。
テクニック3.会話文を効果的に使う
読者の心をつかむには、会話文が大切ですよね。感情だけを書くのではなく、セリフと行動を上手に使ってみましょう。
彼女は怒っていた。
「もう、知らない!」
かばんを床に叩きつけ、彼女は踵を返した。
テクニック4.心理描写を具体的にする
心理描写とは簡単にいうと、「キャラクターの心理的な状況を表現する技法」のことです。文章力の見せどころの一つですね。
私は悲しかった。
胸の奥が苦しくなる。視界が徐々にぼやけていく。
テクニック5.情景描写に力を入れる
キャラクターが「どこにいるか」「何を見ているか」を描くことです。物語の世界観に合わせて、あなたなりの描写を加えてみましょう。
春
桜の花がそよ風に乗って散る季節。
小説の執筆に役立つツールも紹介
小説の書き方がわからない方は、ツールを活用して情報を整理しながら創作を進めてみましょう。また本記事で紹介しきれないツールは以下の記事でも紹介しているので、合わせて参考にしてください。
プロット・情報整理に役立つ:Cacoo
料金 | 660円/月額 |
機能 | 折れ線グラフ 画像インポート マインドマップ フローチャート 付箋メモ コメント その他 |
エクスポート | 可能(PNG・SVG・PDF・PPTなど) |
無料お試し | 30日間無料 ※無料体験時のクレジットカード登録不要 |
メリット | シナリオ展開にあった図解を作れる 付箋で創作のメモを貼れる PDFでの共有が可能全ての情報を一枚にまとめられる サクサク創作できる |
デメリット | 完全オンラインツール |
仮シナリオからプロットまでを一枚にまとめたい方には、Cacooがおすすめです。上記画像のように、必要な情報を一つのキャンバスに整理できます。
プロット専用のツールって多数ありますが、基本的に自由度が高くありません。好きな位置に好きな情報を配置できるので、あなただけのプロットを作成することが可能です。
今なら30日間無料
クレジットカードの登録なしで利用できます
執筆に特化したライティングツール:Scrivener
料金 | 7,500円〜(買い切り型) |
機能 | 縦書き対応ファイル 管理機能 プロット作成機能 日本語対応進捗管理など |
エクスポート | あり(DOCX・TXT・HTML・PDFなど) |
無料お試し | 30日間無料体験あり |
メリット | 情報を管理しながら執筆できる 日本語で利用できる 海外ツール論文・ビジネス文書の制作にも特化 |
デメリット | 日本語設定にする必要がある 操作方法がやや複雑 |
Scrivenerは、資料を管理しながら執筆ができるライティングツール。縦書きにも対応しており、コルクボード機能まで搭載しています。
章ごとにブロックに分けて執筆ができ、ブロックを後から順番を入れ替えることも可能。執筆の効率も2倍くらい改善できるはずです。
情報収集から仮プロットまで一気に作成:Notion
世界中で1億人以上のユーザーが利用しているNotionは、情報整理やタスク管理、進捗管理に役立ちます。AIによるライティング機能を利用できるので、アイディアから仮シナリオを作ってもらうことも可能です。
スマホで見ているWebサイトを直接Notionに保存でき、隙間時間を活用して創作を進められます。ただNotionだけで完結は難しいので、僕は以下のように活用しています。
- ネット・本で情報を集める
- Notionで情報を整理・AI機能で仮シナリオを作成
- Cacooで全ての情報を一枚にまとめる
- Scrivenerで執筆する
これは僕の創作方法ですが、個人的にはかなり効率的かと感じています。紹介したツールは無料体験ができるので、ぜひ試してみてください。
小説の書き方がわからない方への注意点
最後に、創作の注意点を紹介します。
- 小説の書き方に正解はない
- 作品はどんどん世に出す
小説の書き方に正解はない
前述と重複しますが、小説にかかわらず創作活動に正解はありません。絵の描き方が自由であるように、物語の作り方も自由です。
正直にいうと、どんなやり方を試しても最初はしっくりこないと思います。
それでも創作を続けることで、自分なりの正解が必ず見つかります。
うまくいかない時期こそ、伸び代だと考えてくださいね。
作品はどんどん世に出す
どんな作品も、他人に見られて「作品」になると思います。もちろん、最初から高い評価を得られる可能性は高くありません。でも「いいねの数」とか「コメント数」とかは、作品に対するフィードバックであり、創作力を磨く大切な情報です。
もし世の評価が怖いと感じるなら、ペンネームで活動してみてください。顔を出す必要もありません。今は作品を見てもらえるプラットフォームが多数存在するので、勇気を出して投稿してくださいね。
小説の書き方がわからなくても、まずは書いてみよう
確かに小説って、書こうと思っても一行目で筆が止まるものです。それはプロの作家でも当たり前のことであり、人によっては最初に一文を書くのに1か月以上の時間を要するといいます。
そうやってもがいてる時期こそ、あなたの創作力が伸びる時だと僕は考えます。まずは数百文字でも大丈夫なので、小さいステップを踏みながら小説を書く力を磨いてみてください。
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