アニメや小説で使われるプロットとは?意味や作り方を解説

小説やアニメ、映画や漫画などのシナリオ作品では、プロットが非常に重要です。

しかし、“プロット”と一口に言っても、その作り方は容易ではありません。

なぜなら、アニメや小説の心臓部ともいえる”プロット”は、ストーリー全体の流れを決定する大切な要素だからです。

シナリオライターでさえ「きつい」と感じることがあります。

でも、心配は無用です。この記事では、「プロット」の意味から作り方まで、わかりやすく解説します。

基本的な作り方をステップ形式で紹介しているので、あなたの創作活動に役立ててください。

目次

アニメや小説で使われるプロットとは?

アニメや小説で使われるプロットとは

プロットとは、物語の中心軸となる骨組みのことです。

簡単にいうと、ストーリーの大まかな構成ですね。

これはアニメや小説の物語を作る上で必須の要素となります。

その理由は、物語の一連の出来事を明確にして、その流れを繋げる作業だからです。

「ハリーポッター」の物語では、ハリーが魔法学校に入学し、そこでの冒険を経て最終的には悪を倒すという流れは、全てプロットによって決定されています。

つまり、あらかじめ物語の全体像の構成を、プロットと呼ぶのです。

なぜプロットが必要なのか

なぜプロットが必要なのか

プロットの作り方を学習する前に、プロットが必要な理由を明確にしておきましょう。

プロットが必要な理由は、大きく分けると以下の2つです。

  • 物語の骨格を作る
  • 矛盾を避ける

簡単にいうと、シナリオを書きやすくすることです。

具体的な理由を見ていきましょう。

物語の骨格を作る

物語の骨格を作るためにはプロットが必須となります。

なぜなら、プロットがないと物語の流れがふらふらとしてしまい、物語の中心が掴みにくくなるからです。

例えば、「名探偵コナン」のようなアニメでは、毎回の事件解決の流れが明確に示されていることで、視聴者は物語の進行を理解しやすくなりますよね。

このように、物語を作るためには、骨格になる必ずプロットが必要なのです。

矛盾を避ける

プロットは物語の矛盾を避ける手段となります。物語に矛盾があると、読者や視聴者は混乱し、物語に没頭することが難しくなります。

人気アニメ「ワンピース」では、登場人物の性格や過去のエピソードが一貫して描かれているため、矛盾が起きずに物語が進行しますね。

このように、プロットを事前に作成することで物語の矛盾を避け、読者や視聴者にスムーズな物語体験を提供できます。

執筆速度を上げる

プロットの最大の魅力は、執筆速度が速くなることです。創作の経験が少ない方がシナリオを書く場合、構成を考えながら執筆する方が一定数見られます。

しかし考えかながら文章を書くのは脳内労働力が高く、かなりシンドイです。例えばレシピを知らずに料理を作ると手際が悪くなり、完成までに時間がかかります。

つまりプロットとは料理のレシピをに該当します。料理を作りながら「この調味料入れたらいいかも!」という発想と同じように、プロットを作成してから味付けをすると魅力的な作品が作れるでしょう。

アニメや小説で使われるプロットの作り方7ステップ

アニメや小説で使われるプロットの作り方

それでは、プロットの作成方法を、ステップ形式で解説します。

まず、結論は以下の通り。

STEP
テーマを決める

最初に、物語について考えを出します。例えば、「友達を救うために冒険に出る」といったアイデアです。

STEP
登場人物を作る

話の主人公、つまり物語の中心となる人物を考えます。この人物が何をしたいのか、どんな性格なのかを決めます。

STEP
ストーリーラインを作る

物語の大まかな流れを決めます。始まりから終わりまで、どのような出来事が起こるのか、どのような順序で展開するのかを考えます。

STEP
サブプロットを作る

主人公以外の人物の話や、主人公の話とは別の小さな話(サブプロット)を考えます。これが物語を豊かにします。

STEP
問題を作る

主人公が目標を達成するために、どんな問題や困難に直面するのかを考えます。この問題が物語の「ドラマ」を作り出します。

STEP
解決策を考える

物語のクライマックスに向けて、コンフリクトをどのように解決するのかを考えます。これは主人公が障害を乗り越える様子や、葛藤が解決する過程などを描くことで実現します。

STEP
エンディングを作る

最後に、エンディングが読者や視聴者に満足感や感動を与えるようにしましょう。物語全体を締めくくる重要な瞬間であるため、思い出に残る結末を迎えるストーリーを作成できます。

これがプロットを作る大まかなステップです。

でも、これはあくまで一つの方法で、他にも色々な方法があります。自分の話を一番上手に書ける方法を見つけることが大切です。

それぞれの話を順番に見ていきましょう。

Step1:テーマを決める

最初にテーマを決めることが重要です。

テーマは物語全体を通じて一貫したメッセージたいメッセージを明確にしましょう。

例えば、アニメ「ドラゴンボール」のテーマは「努力と友情」です。

主人公の悟空が努力して強くなり、友達と協力して困難を乗り越える様子が描かれていますよね。

テーマが明確に決まっていないと、物語の世界観は統一できません。

あなたが伝えたいメッセージを明確にして、テーマを決めましょう。

ステップ2:登場人物を作る

テーマを決めたら、主人公や登場人物を作りましょう。

物語を魅力的にするためには、視聴者や読者が感情的に関わることのできる登場人物が必要です。

  • キャラクターの名前
  • 登場人物の外見
  • 性格
  • 過去の経験

などを決めていきましょう。

アニメ「鬼滅の刃」の主人公、炭治郎は親思いで、家族を鬼から守るために命をかけて戦います。

その強さと優しさが視聴者の共感を呼びます。

魅力的な登場人物を作ることが物語を生き生きとさせるのです。

キャラクター作りは物語において非常に重要なので、緻密に考えてくださいね。

ステップ3:ストーリーラインを作る

ストーリーラインとは、物語の大まかな流れや展開のことを言います。

テーマと登場人物を作ったら、物語の大まかな流れを作りましょう。

読者や視聴者が物語の中にどっぷりと浸るためには、物語が一貫性をもって進行していることが大切です。

「ハリーポッター」では、主人公ハリーが魔法学校に入学し、そこでの生活を経て最終的に大敵と対決するというストーリーラインが描かれています。

つまり、ストーリーラインを作ることは、物語を効率的に創作するためにも重要なのです。

ストーリーラインを作らない場合、創作に時間がかかってしまいます。

テーマと登場人物を決めたら、ストーリーラインを作り、今後の創作を楽にしましょう。

ステップ4:サブプロットを作る

サブプロットとは、主要なストーリーラインを補完する、小さな物語のことを指します。

このサブプロットがあると、物語がより深みを持ち、読者の興味を引きます。

サブプロットの説明

例えば、映画「タイタニック」では、主人公の恋愛が主要なストーリーラインである一方、登場人物の人間関係や社会背景がサブプロットとして描かれています。

これにより、視聴者はただ恋愛に没頭するだけでなく、当時の社会状況についても理解することが可能になるのです。

ストーリーラインを作る際には、主要な物語だけでなくサブプロットも考えることで、よりリッチな世界観を作成できます。

ステップ5:問題を作る

物語の魅力を引き立てるのは、主人公が直面する問題です。

これらの問題が、読者や視聴者の感情に訴え、物語への関心を引き立てます。

例えば、ハリーポッターシリーズでは、ハリーがヴォルデモートという強大な敵と戦うという問題が物語を動かしていますよね。

しかし、それだけではなく、ハリーの学校生活や友人関係、自身の生い立ちといった個々の問題も物語を豊かにしています。

ですから、物語を作る時は、大きな問題だけでなく、登場人物が直面する日常的な問題も一緒に考えてみましょう。

これらが組み合わさることで、物語は一層引き立つことでしょう。

ステップ6:解決策を考える

物語の核心は、問題の解決策を登場人物がどう探し出すかです。

登場人物の努力や工夫が読者や視聴者に共感や応援の気持ちを生みます。

アニメ「ワンピース」では、ルフィは仲間や友達を助けるため、困難を乗り越える解決策を次々と見つけ出します。

彼の冒険心や仲間思いが、物語を楽しくさせ、視聴者を引きつけますよね。

大切なのは、解決策が必ずしも完璧である必要はないということです。

登場人物が直面する問題の解決策を考える時、その過程や試行錯誤も大切に描いてみてください。

物語はその結果以上に、過程の中に多くのドラマが生まれます。

ステップ7:エンディングを作る

最後に、エンディングが読者や視聴者に満足感や感動を与えるようにしましょう。

物語全体を締めくくる重要な瞬間であるため、思い出に残る結末を迎えるストーリーを作成しましょう。

物語のエンディングは、結末を決めて読者に印象を残す大事な部分です。良いエンディングを作るコツは、次のようなことに気をつけることです。

  • 物語のテーマやメッセージに沿っていること
  • 読者に満足感を与えること
  • 伏線や意外性、感動などを使って効果を高めること

例えば、「ハリー・ポッターシリーズ」では、最後に主人公たちの未来や友情が描かれていますよね。

エンディングは物語の締めくくりです。読者に思い出に残る結末を届けましょう。

プロットを作る際の注意点は3つ

プロットを作る際の注意点は3つ

最後に、物語を作る際の注意点を解説します。

  • 矛盾を回避する
  • テーマは明確にする
  • プロットで考えすぎない

上記の3つに注意して、最高の構成を作成しましょう。

矛盾を回避する

矛盾は物語の信憑性を損なうものです。読者や視聴者は矛盾に気づくと物語に没入しづらくなります。

矛盾を回避するためには、物語の設定やルール、キャラクターの行動や言動、事実や情報の整合性に一貫性を持たせることが必要です

例えば、魔法が存在する世界であれば、魔法の使い方や効果が一貫していることが求められます。

また、キャラクターが恐怖心を抱いていると設定されているなら、そのキャラクターが勇敢な行動を取る場合は、その背景や理由を説明することが必要です。

さらに、予告や伏線を用いる際には、後の展開でそれらが明確に解決されるようにすることが重要です。

矛盾を回避することで物語は信じられるものとなり、読者や視聴者は物語に没入しやすくなります。

テーマは明確にする

物語を作るとき、テーマは物語の核となるものです。

物語が伝えたいメッセージやテーマ性を表し、物語の方向性や目的を明確にします。

読者や視聴者はテーマを理解することで、物語に深く感情移入できます

テーマを明確にするためには、物語の中心となるテーマを決め、物語の要素として具体的に反映させることが必要です。

「勇気」をテーマにするのであれば、主人公が恐れを克服し、困難に立ち向かう姿を描くことで、「勇気」を表現します。

テーマを明確にしないと、物語は曖昧で一貫性がなくなり、読者や視聴者の理解が困難になります。

プロットで作成したテーマを途中で変更するのは至難の業なので、プロットを作る際は、テーマを明確にした構成を作成しましょう。

プロットで考えすぎない

物語を作るとき、プロットは大まかな流れや重要なイベントを示す骨組みとして考えましょう。

詳細を過度に追求すると、物語が堅苦しくなり、執筆や読者への伝わり方に制約が生じます。

例えば、プロットで主人公の服装やセリフを決めてしまうと、その場面に合わない展開や感情が生まれたときに、修正が難しくなります。

プロットは執筆のガイドラインであり、柔軟性を保つことが大切です。

執筆の過程でアイデアや展開を自由に追加・変更することで、予想外の展開やキャラクターの成長などが生まれ、読者に驚きや感動を与えるストーリーを作成できます。

プロットを作るときは、詳細を考えすぎず、ストーリーテリングの自由度を忘れないでください。

まとめ:プロットを上手に活用して、アニメや漫画を作成しよう

まとめ:プロットを上手に活用して、アニメや漫画を作成しよう

プロットは物語の骨組みであり、基本的な展開や重要なイベントを示すものです。

最後に、作り方をおさらいしておきましょう。

STEP
テーマを決める

最初に、物語について考えを出します。例えば、「友達を救うために冒険に出る」といったアイデアです。

STEP
登場人物を作る

話の主人公、つまり物語の中心となる人物を考えます。この人物が何をしたいのか、どんな性格なのかを決めます。

STEP
ストーリーラインを作る

物語の大まかな流れを決めます。始まりから終わりまで、どのような出来事が起こるのか、どのような順序で展開するのかを考えます。

STEP
サブプロットを作る

主人公以外の人物の話や、主人公の話とは別の小さな話(サブプロット)を考えます。これが物語を豊かにします。

STEP
問題を作る

主人公が目標を達成するために、どんな問題や困難に直面するのかを考えます。この問題が物語の「ドラマ」を作り出します。

STEP
解決策を考える

物語のクライマックスに向けて、コンフリクトをどのように解決するのかを考えます。これは主人公が障害を乗り越える様子や、葛藤が解決する過程などを描くことで実現します。

STEP
エンディングを作る

最後に、エンディングが読者や視聴者に満足感や感動を与えるようにしましょう。物語全体を締めくくる重要な瞬間であるため、思い出に残る結末を迎えるストーリーを作成できます。

柔軟性を持ちつつ詳細にこだわりすぎず、物語を構築していきましょう。プロット作成は物語作品の基盤であり、魅力的な物語を作り上げる重要な要素です。

とはいえ、魅力的なストーリーを創作するには、多くの作品を見る必要があり、シナリオライティングの具体的な方法を学習することが必要です。

物語の作り方を学習できるツールを【無料あり】シナリオライティング学習に使える4つのツール【独学向け】にまとめているので、ぜひ活用してください。

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この記事を書いた人

文章とテクノロジーが大好きなフリーランスです。2018年からWebライターを開始して、クラウドソーシングでは月収40万円以上達成。デジタルアート作品の作成もしています。2023年1月17日より、AIアートの個展を開催。

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