結論からいうと、小説の書き方や考え方そのものにNGはありません。小説は文章を使った芸術作品であり、芸術は原則自由です。
ただし公募やコンクールでは、原稿用紙の使い方や執筆内容によってNGと判断される可能性はあります。
そこで今回は、これから小説を書きたい方が最低限知っておくべきルールについて解説します。
コンクールに挑戦したい方や、Web上で作品を公開したい方は、ぜひ参考にしてください。
小説の書き方3つのNG
小説の執筆は原則自由ですが、コンクールによってはルールが定められている可能性があります。
以下のルールは創作に役立つこともあるので、理解して損はありません。
- 原稿用紙の使い方を間違える
- 他人の作品をそのまま真似る
- 公募ルールを理解しない
それぞれ順番に見ていきましょう。
NG1.原稿用紙の使い方を間違える
最近では少なくなりましたが、コンクールによっては原稿用紙フォーマットが指定されることがあります。
例えば以下の使い方がNGとされる可能性があります。
種類 | NG例 | 改善例 |
---|---|---|
句点(。) | 行頭(行の一番上)に使用。 | 原稿用紙のマスの外にはみ出て書く。 前行の最後のマスに文字と一緒に書く。 |
読点(、) | 行頭(行の一番上)に使用。 | 前行の最後のマスに文字と一緒に書く。 |
括弧(「」) | 閉じる括弧を行頭に使用。 | 前行の最後のマスに文字と一緒に書く。 |
感嘆符(!など) | 行頭(行の一番上)に使用。 | 前行の最後のマスに文字と一緒に書く。 |
改行 | 新しい段落の行頭を適切に調整していない。 | 新しい段落は一文字下げる。(原稿用紙以外でも) |
最後の改行に関するルールは一般的な縦書き文章でも適用される可能性があるので、しっかり覚えておきましょう。
NG2.他人の作品をそのまま真似る
盗作はルール違反だけではなく、法的トラブルに発展する可能性があります。文学作品の盗作の証明は難しいですが、度が過ぎる(コピペなど)はNGとして扱われるでしょう。
過去に「盗作」と呼ばれる作品を読んだ経験があり、「絶対パクリじゃん!」と思いました。笑
ただ、以下の状態は盗作と判断される可能性は低いです。
- 全体的になんとなく似ている
- 一部の言い回しが類似している
- 物語の進み方が類似している
参考:koubo「どこまでが盗作か6:類似チェック・主催者の実際」
つまり、他者の作品を参考にしたり、オマージュ・二次創作などは問題ありません。
NG3.公募ルールを理解しない
「小説の書き方は自由」と伝えましたが、公募によっては明確なルールが存在します。具体的には以下の通りです。
- 文字数
- 提出フォーマット
- 小説のテーマ
- 社会問題への抵触など
自治体の公募などでは、特定の地域をテーマにした作品を求められる場合があります。小説の内容自体は自由ですが、提示されたルールを守らないと作品は評価されない可能性があるので注意してください。
NGといわれる小説の書き方6つ
次に、「この執筆方法はやめた方がいいよ!」いわれる創作方法をご紹介します。
- プロットを作らない
- 論理が破綻する
- 登場人物をデザインしない
- 文体を統一しない
- 構成が複雑すぎる
- テーマから逸脱する
小説に関わらず芸術作品は自由に創作して問題ありません。ただ上記の6つに注意することで、より洗練された作品を作れます。
NG例1.プロットを作らない
プロットとは簡単にいうと、「物語の骨組み(土台)」のことです。ストーリーの流れや登場人物のセリフなどを簡潔に整理してものですね。
いきなり執筆する作家は多数存在します。しかしプロットには論理の破綻やキャラブレを防いだり、テーマに沿った小説を書きやすくしたりなど、さまざまなメリットがあります。
読者に共感してもらえる小説を書きたい方は、ぜひプロットから作り込んでみてください。
NG例2.論理が破綻する
論理の破綻を一言でいうと、「話がつながっていないこと(矛盾)」です。
小説においては、以下のケースが見られます。
種類 | NG例 |
---|---|
ストーリー展開の矛盾 | 事件がなぜか解決している辻褄が合わないまま物語が進む |
時間や場所の矛盾 | A地点からB地点まで5時間かかる設定なのに、主人公が30分で移動するなど。 |
キャラブレ | キャラクターの性格が突然変化するキャラクターの行動に理由がない |
論理の破綻を防ぐには、「なぜその事象が発生したのか」を記述することが大切です。
ただ後付けで理由を添えると冗長な文章になるので、物語の一貫性を担保するならプロットから作り込む方が安全ですね。
NG例3.登場人物をデザインしない
前述の「キャラブレ」と重複しますが、登場人物を適切にデザインしないと物語に矛盾が発生します。
具体的には以下の通りです。
種類 | NG例 |
---|---|
セリフ・行動 | 登場人物の性格からは考えられない発言・行動など |
言動の不一致 | 前半と後半でセリフが異なる |
変化する動機が不適切だと読者は違和感を覚えます。例えば「主人公が突然敵を助ける」など一貫性のない行動をする際は、理由を補足することが大切です。
つまり執筆を始める前に「登場人物をデザインする」ことが、魅力的な作品を作るコツです。
NG例4.文体を統一しない
作品全体を通して、文体は統一しておきましょう。例えば、前半はエモーショナル文体で、後半が論理的な文体になると、読者は混乱します。
また比喩表現を多用しすぎると冗長な文章になり、読みにくい作品になります。読み手を意識しながら、全体の文章のトーンを統一してあげましょう。
NG例5.構成が複雑すぎる
ミステリ小説やサスペンス小説では、一定の複雑さが求められます。ただ、構成を複雑にするほど論理の破綻が発生しやすく、読者だけでなく作者までが混乱するケースは少なくありません。
もちろん、作り込んだ構成には読者を感動させる魅力があるのでチャレンジしてほしいと思います。そのため、プロットの段階で構成を完成させることをおすすめします。
NG例6.テーマから逸脱する
作品のテーマから逸脱すると、読者を失望させる結果となります。
例えば「鬼滅の刃」のラストで、主人公がラスボスを倒さないエンディングだと、「結局どうなるの?!」と読者が混乱するでしょう。
また恋愛ストーリー(サブストーリー)などを重視するあまり、当初のテーマから逸脱する作品は少なくありません。
小説は一つの旅と考えて、目的地に向かって進む物語を考えることが大切ですね。
初心者におすすめの小説の書き方
最後に、これから小説を執筆したい方に「おすすめの書き方」を紹介しておきます。
- テーマを決める
- 舞台を決める
- キャラクターを考える
- プロットを作成する
- 原稿を書く
- 推敲する
上記の詳しいやり方については、以下の記事で解説しています。プロット作成に便利なツールも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
初心者に伝えたい小説の書き方6ステップ|プロットの作り方やNG例も紹介
小説の書き方にNGはないが、注意は必要
本記事の冒頭で解説したように、小説は文章を使った芸術作品。根本的なNGやルールはありません。
ただ公募に出す際は、原稿用紙の使い方や盗作、公募のルールなどが存在するので注意してください。
以下の記事では、小説の執筆に役立つツールをまとめて紹介しています。執筆ツールやプロット作成ツールを探している方は、合わせて参考にしてください。
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