結論から申し上げると、シナリオライターと脚本家の意味は、基本的には同じです。どちらも物語や登場人物を創作する仕事なので、大きな違いはありません。
しかし、業界によっては、シナリオライターと脚本家の意味は異なるケースもあります。
物語を創作する仕事をしたい方は、その辺りは理解しておきましょう。
本記事では、シナリオライターと脚本家の違いや、どちらを目指すべきか、などについて解説します。物語を創作する仕事に興味のある方は、参考にしてください。
シナリオライターと脚本家は【活動するメディア】によってちょっと違う
シナリオライターと脚本家では、活動するメディアが違います。簡潔にいうと、ゲームなのか、テレビや映画なのかというイメージです。
シナリオライターは主にゲーム業界で仕事をすることが多いです。近年では、YouTube動画の構成やWeb漫画などのストーリー創作も多くなっています。
一方、脚本家はテレビやドラマ、映画などの物語から脚本・台本を作る仕事です。演者が演じるセリフや場面構成まで考えることが多く、脚本家は監督とより近い距離で仕事をします。
ただし、仕事内容によっては、脚本家とシナリオライターが協力して仕事をしたり、シナリオライターがプランナーとして脚本家をサポートしたりなど、業界や企業によって言葉の定義は異なります。
とはいえ、映画やテレビなどのマスメディアを担当するのは脚本家、ゲームやオンラインコンテンツを担当するのはシナリオライターと認識して問題ないでしょう。
言葉の意味も少し違う
シナリオと脚本では、意味が少し異なります。
名称 | 意味 |
脚本 | 演劇や映画などの仕組み・舞台装置・俳優のセリフ・動作などを記したもの。 |
シナリオ | 映画やテレビなどの脚本。場面や構成や人物の動き、セリフなどを書き込んだもの。 |
上記の結果を見ると、映画やドラマなどの脚本を担当するシナリオライターの方がマスメディアに担当する仕事と考えるでしょう。
しかし、日本のマスメディは演劇(舞台)から始まっているので、脚本家がマスメディアの仕事を担当しているとも言われています。
ゲームの脚本がシナリオと呼ばれるようになった理由についての記述はありませんが、同業者の中では、
「ゲーム業界が意味を分けるために、ゲームはシナリオ、テレビや映画などは脚本にした」
という声も多く見られます。
真意の程は定かではありませんが、ゲーム業界の脚本家がシナリオライターと呼ばれているのは事実です。
シナリオライターと脚本の仕事内容は違いとは?
シナリオライターと脚本家は活躍する舞台が違うので、仕事内容も異なります。
名称 | 仕事内容 |
脚本家 | 作品の物語創作・キャスティング・演出 |
シナリオライター | 作品の物語創作がメイン |
前述したように、シナリオライターがマスメディアの仕事に入った場合、脚本家のサポートをするケースもあります。ここでは、主な仕事内容を紹介します。
シナリオライターの仕事内容
シナリオライターの多くは、ゲームやYouTube動画、Web漫画などのストーリーを創作します。
案件によっても異なりますが、シナリオライターが創作した物語をもとにキャラクターを設定して、作品制作の指揮をとることが多いです。
具体的には、キャラクターのデザインを考案したり、ゲーム内の世界観の演出をしたりなどが挙げられます。
ゲームの場合、シナリオライターが作成した物語をもとに、音楽・CG・イラストなどのチームが作業に取り掛かります。
シナリオライターが作成した物語を軸に仕事を進めるため、チーム内のメンバーとのコミュニケーション能力が必要です。
副業で人気のYouTube動画やWeb漫画の場合、クライアントに指定されたテーマに基づいて物語を創作して、編集チームが仕上げる進め方が多いです。
シナリオライターの仕事内容は、【初心者向け】シナリオライターとは?仕事内容や年収、必要なスキルまで紹介で詳しく解説しています。
脚本家の仕事内容
脚本家は、物語を創作してからの仕事も多いです。
監督と相談しながら出演する俳優や声優をキャスティングしたり、撮影現場でカメラアングルや照明などについても指示を出す可能性があります。
シナリオライターと同様、脚本家の作成した物語を中心に仕事が進むので、責任のある仕事といえるでしょう。
ただし、シナリオライターと大きく異なる点があります。
それは、出演者にセリフを任せることや、現場の雰囲気に応じて脚本を大幅に変更したりすることです。
撮影に入っていると、役を演じている俳優にセリフを任せるシーンは数多くあります。
役に入っている俳優の方が脚本家よりもキャラクターを理解できるので、場合によっては大幅な修正も必要です。
シナリオライターと脚本家の年収はどちらが高い?
シナリオライターと脚本家の年収はその人のスキルや実績によって異なるので、平均収入を出すのが難しいです。
しかし、基本的には脚本家の方が高いと考えられています。
その理由は、脚本家が手がける作品は、制作規模が大きいからです。
映画やドラマなどのマスメディアの場合、億単位の制作予算が組まれることが多いです。そのため、脚本家のギャランティも高くなります。
有名作品を手がける脚本家であれば、1クール(3か月)で1,000万円以上の報酬をもらっている方も少なくありません。
しかし、フリーランスのシナリオライターが有名ゲームなどの脚本を作った場合も、年収1,000万円以上は十分に可能です。
とはいえ、膨大な製作費を投下できるのではマスメディアの方が多いため、成果を出せば脚本家の方が年収は高いと言われています。
小さな仕事はシナリオライターの方が多いです
脚本家は成功すれば大きな収入を得られますが、案件を受注するのが難しい仕事です。というのも、マスメディアで活躍するには、スキルや実績だけではなく、人脈も必要になります。
オンライン上で映画脚本を作る案件などはほぼありえないため、実績を作るのが難しい職業といえるでしょう。
一方で、シナリオライターの仕事はオンライン上で募集されることが多いです。クラウドソーシングやエージェントサービスも充実しているので、実績を作りながら案件を受注できる仕事といえるでしょう。
シナリオライターと脚本家、どちらを目指すべきか
大前提として、どちらを目指すかはあなたのやりたいことによって異なります。シンプルな結論だと、
- ゲーム業界を目指すならシナリオライター
- 映画・舞台・ドラマなどの業界に行くなら脚本家
というイメージです。
シナリオライターを目指すなら、独学で副業からはじめるか、専門学校に通うことが一般的です。
脚本家のスキルも学校やスクールで学べますが、有名脚本家に弟子入りする方も少なくありません。
どの方法が最適かはその人によって異なります。しかし、どちらの仕事を選んでも、継続的な努力が必要だと理解しておいてください。
まとめ:シナリオライターと脚本家の違いは、活躍する業界
結論として、シナリオライターと脚本家に大きな違いはありません。しかし、活動する業界によって、呼び方や仕事内容は多少異なります。
とはいえ、魅力的な作品を届けるのは双方同じ職業です。物語の創作をしたい方は、好きな道を進んで問題ありません。
もし、「物語を作る仕事を副業で始めてみたい…」と感じるなら、【未経験OK】シナリオライターのなり方は?副業で始める方法や注意点を解説が役に立つと思います。
興味のある方は参考にしてください。
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